電車を止めたときの賠償責任は補償される?

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通常、個人賠償責任保険はモノを壊したりケガを負わせたときなど、 相手に損害を与えた場合にその賠償金額を補償してくれます。

一方、著作権侵害やプライバシー侵害、名誉毀損といった不法行為については、 身体やモノなどへの損害ではないため一般的に保険金が支払われません。

そのほかに、仕事中や自動車・バイクの運転中、借りたモノなども、 原則として賠償責任保険では 保険が下りないケース になります。

それ以外に、線路に入って電車を止めてしまった場合も考えられます。

列車が運行不能になるとその料金の払い戻しに加えて、 状況によってはバスなどによる振替輸送を行うケースもあります。

その費用はJR各社や私鉄といった鉄道事業者が負担しており、 電車を止める原因を作った人に賠償請求される恐れがあります。

そこで、電車を止めてしまった場合に賠償責任保険で保険が下りるのか調べてみました。

認知症患者に対する訴訟

認知症患者の症状の1つとして歩き回る徘徊行為があり、 もし自宅の近くに線路があれば意図せず入り込む可能性があります。

認知症の親の賠償責任は補償される? のように、 実際に認知症患者による列車事故で損害賠償を請求される訴訟が起きています。

このケースでは、長男や妻が監督義務者としての責任を果たしていたかどうかが争われ、 最高裁の判断は「法定の監督義務者と同視できない」というものでした。

その結果として、賠償金を支払う必要はありませんでしが、 もし監督義務者として認定されていたらどうなっていたのでしょうか。

もし監督義務者なら

通常、賠償責任保険が下りるケース にある通り、 契約者本人に加えて子供や親といった同居の親族も補償対象になります。

上の列車事故でも対象ですが、介護者に対する監督責任が問われているため、 これまでの一般的な賠償責任保険では補償外でした。

ただ、三井住友VISAカードのポケット保険 のように、 そういったケースでも補償されるように改定(2015年10月契約以降)した保険もあります。

三井住友海上の補償内容の主な変更点 ・2015/10/1以降の新規・継続分より)

監督義務者も補償される賠償責任保険に加入していれば、 認知症の親が電車にはねられるなどして列車自体に損害を与えた場合でも、 その修理費用などは補償されることになります。

それでも、運行不能や振替輸送費用などは損壊ではないため、 賠償責任保険ではカバーできないことになります。

ポケット保険 では「保険金をお支払いする場合」の補償内容に以下の項目が追加されました。

偶然な事故により、誤って線路へ立入ってしまったこと等が原因で電車等を運行不能にさせ、法律上の損害賠償責任を負われた場合

この改定により、運行不能や振替輸送費用においても補償されるようになっています。

電車等運行不能賠償特約

そこで、「日常生活賠償(電車等運行不能賠償追加型)特約」を追加できる保険が新しく発売されました。

三井住友海上の「GK すまいの保険 グランド」および、 あいおいニッセイ同和損保の「タフ・住まいの保険 あんしんパッケージ」に、 特約オプションとして追加することができます。

どちらも火災保険になりますが2017年1月1日以降の契約であれば、 賠償責任保険に電車等運行不能賠償を特約として付けることができます。

さらに、 ポケット保険 でも補償されるようになり選択肢が広がりました。

この保険であれば特約ではなくほぼ単体で賠償責任保険に加入することができます。

そのため、必要なタイミングで契約できるメリットがあります。

まとめ

通常、賠償責任保険はモノやヒトに損害を与えた場合に補償される保険になります。

そのため、著作権侵害やプライバシー侵害等に加えて、列車の運行不能による振替輸送費用などは損害がないので補償されないことになります。

その一方で、そういった補償に対するニーズがあり、電車を止めたときにも対応する保険が広がっています。

これまでは火災保険の特約しかありませんでしたが、クレジットカード会員限定の ポケット保険 でも補償されるようになりました。

この「電車等運行不能賠償」特約があれば、認知症患者はもちろん子供の線路立ち入りのケースでも補償されるようになります。

さらに、 ポケット保険 では認知症患者の監督責任についても補償されるように改定されています。

配偶者や子供といった介護者も賠償責任保険の補償対象になるため、親が認知症患者で徘徊するなどの行為があれば検討したいところです。

そのほかでも、踏切でクルマが立ち往生したりお酒に酔って駅のホームに落ちるなどして、 子供や親だけでなく契約者本人でも賠償請求されることが考えられます。

この「電車等運行不能賠償」特約は、今後欠かせない補償になりそうです。


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